問題

次の資材管理及び在庫管理に関する説明のうち、最も不適切なものはどれか。

① ABC分析は、多くの在庫品目を取り扱うとき、それを品目の取扱金額又は量の小さい順に並べて、A、B、Cの3種類に区分し、それぞれ順にダブルビン方式、定量発注方式、発注点方式によって管理するために用いる分析である。

② 安全在庫は、需要の変動や資材調達の補充期間の変動などの不確実性を吸収するために考慮する在庫であり、安全在庫を持つことの利益と在庫維持費とが等しいとき最も経済的な大きさであるといえる。

③ 資材管理は、所定の品質の資材を必要な時期に必要な量だけ適正な価格で調達し、要求元へタイムリーに供給するために必要な管理活動であり、これを効果的に実施するためには、資材計画、購買管理、在庫管理、倉庫管理、包装管理及び物流管理を的確に推進する必要がある。

④ 内外製区分とは、製品を生産するために必要な部品のうち、ある部品の加工又は組立の一部又は全部を、自社内で行うか外注業者に委託するかを決める活動であり、コスト、製造技術、設備能力、保有特許、納期、特殊性などを比較検討する必要がある。

⑤ 経済的発注量とは、一定期間の在庫関連費用を最小にする1回当たりの発注量であり、一般的に1期当たりの推定所要量Rを考慮して、1回当たりの発注費cと1個1期当たりの保管費hの和を最小にする発注量として、√(2Rc/h)で求められる。

解答

正解は 1 になります。

ABC分析とは

ABC分析は、在庫管理の効率化のために使われる手法です。商品や部品などの在庫品目を重要度に応じてA、B、Cの3つのグループに分類し、それぞれ適切な管理方法を適用します。

選択肢の解説

①ABC分析(不適切)

この説明には誤りがあります。ABC分析では通常、以下のように分類します:

  • A:最も重要度が高い(売上や数量が多い)
  • B:中程度の重要度
  • C:重要度が低い(売上や数量が少ない)

正しくは、重要度の高い順(取扱金額または量の大きい順)に並べて分類します。また、管理方法の割り当ても誤っています。

②安全在庫

この説明は適切です。安全在庫予期せぬ需要増加や供給遅延に備えるためのものです。最適な安全在庫量は、在庫不足のリスクと在庫保持コストのバランスで決まります。

③資材管理

この説明も適切です。資材管理は、必要な材料を適切なタイミングで、適切な量、適切な価格で調達し、供給するための総合的な管理活動を指します。

④内外製区分

この説明も正確です。内外製区分は、部品や工程を自社で行うか(内製)、外部に委託するか(外製)を決定する重要な経営判断です。

⑤経済的発注量

この説明も適切です。経済的発注量(EOQ: Economic Order Quantity)は、在庫関連コストを最小化する最適な発注量を求める方法です。

正解の解説

正解は①です。ABC分析の説明に以下の誤りがあります:

  1. 分類順序:小さい順ではなく、大きい順に並べるべきです。
  2. 管理方法の割り当て:ABC分類と特定の在庫管理方式(ダブルビン方式、定量発注方式、発注点方式)の対応は固定的ではありません。各グループの特性に応じて適切な方法を選択します。

ABC分析の正しい理解

ABC分析の一般的な考え方は以下の通りです:

  • Aグループ:全体の約20%の品目で、売上や数量の約80%を占める。最も厳密な管理が必要。
  • Bグループ:次の30%の品目で、売上や数量の約15%を占める。中程度の管理。
  • Cグループ:残りの50%の品目で、売上や数量の約5%を占める。簡易的な管理で十分。

この考え方は「パレートの法則」や「80-20の法則」とも呼ばれます。

図解

ABC分析のイメージを図で表すと以下のようになります:

売上高
または数量
  ^
  |    A
  |     ____
  |    |    |  B
  |    |    |  ____
  |    |    |  |  |  C
  |    |    |  |  |  ____
  +----+----+--+--+--+---> 品目数
    20%   50%   100%

この図は、少数の重要な品目(Aグループ)が売上や数量の大部分を占めることを示しています。

以上の解説から、ABC分析は在庫管理の効率化のための重要なツールであり、その正しい理解と適用が企業の在庫管理改善に大きく貢献することがわかります。

感想

これ、詳しいこと知らなくてもなんとなく回答は1だと思いました(笑)

いや、なんとなくではダメですね。

しっかり知識を身につけないと。

今日も頑張りますよ!